サーマルカメラとアプリケーション


 サーマルカメラは熱に反応し物体の温度を可視化することができるカメラです。通常のカメラと同様に被写体に対してサーマルカメラを向けるだけで温度を計測することができます。建物入館時の体温計測や建築のひび割れの確認、機材の異常検知に応用されています。さらに、光を検出する通常のカメラと比較し、温度を可視化するサーマルカメラは真夜中などの暗い状況下でも撮影が可能であるため監視カメラとしても用いることができます。

サーマルカメラの原理

 あらゆる物体は遠赤外線と呼ばれる目には見えない電磁波を発しています。暖かい物体ほど多くの遠赤外線を発します。サーマルカメラはこの物体が発する遠赤外線がもつエネルギーを検出するカメラです。

サーマルカメラ製品

 サーマルカメラを製造販売するメーカはいくつかありますが、今回は最大手であるFLIR社のサーマルカメラを某オークションサイトにて入手したので、レビューを行います。FLIR社はさまざまなサーマルカメラを取り扱っていますが、その中でも比較的高解像度なboson 360を手に入れました。スマホに接続するタイプのものや液晶がセットになったデジカメに似たタイプの製品が有名ですが、今回手に入れたものはモジュールタイプとなっているものです。スマホ用のサーマルカメラは160×120ピクセル程度しかありませんが、Boson 360は320×256ピクセルあり、より高解像度になります。一方で、PCとのインタフェース部分は製品に含まれておらず別途準備する必要がありました。そこで、インタフェース用の基板作成を行います。

Boson360用インタフェース基板

 Boson360は非常に小型なカメラモジュールです。その中でも今回は2.3mmのレンズが搭載されたモデルを購入しました。魚眼レンズに近い広角タイプになります。製品ラインナップとしてはより狭い視野角のものなどさまざまなラインナップがあります。

 

 カメラ裏面のコネクタからはUSBカメラ用のUSB信号、電源、パラレルデジタル信号線が出ています。今回は接続が容易なUSB信号を用いてPCに接続します。カメラの電源電圧は3.3VでありUSBの5V電源を直接接続する事はできません。そのため、5Vを3.3Vに降圧するDCDCコンバーターが必要になります。また、静電気によるカメラの破壊を防ぐためにツェナーダイオードを取り付けます。
 コネクタは0.5mmピッチのコネクタを用いているため専用の基板を起こすべきでしたが、試用が目的であるためサンハヤトの変換基板を用います。カメラ用コネクタ、DCDCコンバーター、面実装ツェナーダイオード、USBコネクタを変換基板上に載せました。今回利用した0.5mmコネクタとサンハヤトの変換基板の組み合わせではコネクタのハンダ不良が多発したため、試作を行われる方は専用の基板を起こされることをおススメいたします。

PCとの接続

 USBケーブルを用いてカメラとPCを繋ぐと通常のUSBカメラとして認識されます。Bosonではいくつかのカラーパタンが用意されており、まず専用アプリを用いて設定を行いました。カラーパターンとしてはモノクロ出力、カラー出力などが選択できます。今回は高温部が白、低温部が黒となるモノクロ出力のパタンを選択しました。他にもさまざまな設定を変更することができます。

試写

 それでは、いろいろな物の写真を撮ってみます。初めに、水とお湯を入れたコップを撮影しました。

通常のカメラで撮影した場合どちらも同じように見えますが、サーマルカメラの場合、右側のコップが暖かいことがわかります。このようにサーマルカメラの場合、カラーカメラと全く違う画像になります。

お湯が入ったコップに氷を入れてみました。

氷の部分は黒くなり温度差がはっきりとわかります。

電子ケトルをつかいお湯を沸かしコーヒーを入れました。

ケトルは全体が暖かくなることがわかります。コーヒーフィルターの端は温度が低くなります。

水に濡らした物は冷たくなります。キッチンペーパーを水に浸しました。

右のキッチンペーパーは水に濡らした物です。サーマルカメラの写真では濡れたキッチンペーパーが黒くなり冷たいことがわかります。

撮影の途中、床に水をこぼしてしまったので、キッチンペーパーを使って床を拭きました。

通常のカメラではわかりませんが、サーマルカメラの場合、拭きとった部分がわかります。

電熱線式ヒーターの撮影を行いました。まずは、電源を入れる前の状態です。

電源を入れる前は、周りの物との温度差が小さいためうっすらとしかうつりません。

電源を入れました。電源を入れると、電熱線の部分が白くなり、温度が高いことがわかります。

次にRaspberry Pi Zeroの撮影を行いました。

基板全体が暖かくなっていることがわかります。

部屋の壁は梁に固定されています。

がある部分は温度が低いため、サーマルカメラで撮影を行うと梁の位置を見つけることができます。

人が歩いた後は床が温まるため足跡を探すこともできます。

サーマルカメラは逆光の影響を受けにくいカメラです。そのため、逆光下でも高コントラストな画像を得ることができます。


一方でカラー情報を得ることはできないため、印刷された文字などを読み取ることはできません。

 

 

 

 

 

 


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