新型Mac Proは高いのか


新型Mac Proが発表されました。
ポリバケツと言われた現行機種とは打って変わり、G5の頃のようにアルミニウム筐体へと戻ってきました。これはAppleのリサイクルシステムに再びマックを組み込みたいという思惑からの復帰と思われますが、その特異なデザインからチーズおろし金とも言われています。事実、私自身もそのように思ってしまいました。

さて、再びモジュラー式のMacへと戻ってきたMac Proですが、ネットには”高過ぎる”という意見を多数見かけますが、はたしてそうでしょうか。Mac Proを使うユーザー層から考えると、妥当な価格では無いかと考えます。
Appleはユーザー層を価格や機種によってきちんと区別しており、一般的なホームユーザーであればiPhoneやiPad、MacBook Airを、クリエイターであればMac miniやMacBook Pro、iPad Proを、映像制作や研究、開発にはMac Proを、といった具合です。
現在の映像制作や解析、開発には莫大な計算量が必要となり、それはエンドユーザー向けのCPUやGPU、メモリでは能力不足です。故にIntelでもプロユースのXeon、ECCメモリ、ProGPUを使用しますが、普及向けのグレードでは無いので高コストとなってしまう事はやむを得ないでしょう。
ここで念頭に置かなければいけないのは、個人ユーザーが使うパーソナルコンピューターと、プロ業務で使うワークステーションは異なる、ということです。Mac Proは間違いなくワークステーションに属します。

では具体的に見ていきましょう。
Windowsのワークステーションをhpで見積もりすることにしてみます。
新型Mac Proは最小構成でXeon 8コア、メモリ32GB、Radeon Pro 580X、SSDは256GBなので、それに近い構成にしていきます。

世代は異なりますがCPUは同じ8コア、メモリは32GB構成が出来ないので24GB、SSDは256GB、GPUは同じ構成が無いのでこれくらいは最低でもするだろうという設定にしています。
結果は584,712円となり、これで新型Mac Proに構成で及ばない訳です。特にCPUは1.4GHz 8コアの4108(418$)であり新型Mac Proは最新鋭W-2145 3.5GHz(1113$)ですし、専用設計のケース、ファン、電源から考えるとむしろお買い得です。

新型Mac Proを高いと評する方はプロユースのコンピュータを理解していない、F1マシンを一般車と比べて高いと言っているようなものであり、価格帯によるフィルタリングを理解できていない人間と言えるでしょう。


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です