Raspberry Pi4の無線LANを物理的に無効化する


Raspberry Pi4と技適
Raspberry Pi4はRaspberry Pi3と比べて大きく性能がアップしました。CPUはCortex-A72を4コア搭載しメモリもLPDDR4になり、処理速度が大きく向上しています。しかし、2019年7月現在、技適を取得していないため国内で普通に利用することはできません。そこで、Raspberry Pi4の無線LANを物理的に無効化し、国内でも利用できるようにしました。

技適未取得なデバイスを国内で利用する方法
ラズベリーパイ等の技適未取得なデバイスを国内で利用する方法としては電波暗室を準備し電波を遮断した部屋の中で利用する方法があります。しかし、電波暗室を個人で準備することは困難です。他にも、電波を遮断する小型のシールドボックスを利用する方法がありますが、シールドボックスも高価です。
また、IoTデバイスの急速な普及に伴い、技適未取得なデバイスであっても一定の要件さえ満たしていれば最長180日間利用できる法律の整備が進んでいますが、2019年7月現在、本法律は施行されていません。
そこで、今回は物理的にRaspberry Pi4の無線LANを無効化し、国内でも使えるようにします。具体的にはRaspberry Pi4の基板上から無線LANの回路・部品を取り払うことで、無線機能を無効化します。

無線LANの物理的な無効化
本内容はRaspberry Pi4を物理的に壊す危険性が大いにあります。また、取り除いた無線LANの機能を元に戻すことはできません。本内容に関して一切の責任を負いかねます。

Raspberry Pi4の無線LAN回路は、基板左上のシールドされた部分の下にあります。まず、シールドを外します。ニッパを使い少しずつシールを剥がします。この際、基板の他の部品や基板パタンを傷つけないように注意します。

シールドを外すと無線LANのチップが出てきます。

無線LANのチップにはCYPRESSのワンチップ無線LAN/Bluetooth ICであるCYW43455が利用されています。このチップにはPCIeやI2CなどのCPUとの接続インターフェースから高周波回路、パワーアンプ等の機能がすべて搭載されています。このICと、その周辺回路を取り払うことにします。
まず、ミニルーターを使いICの表面を削ります。

丁寧にまんべんなく表面を削っていきます。ある程度削るとBGAのボールが見えてきます。削りすぎると基板のパタンごと剥がれてしまうので削りすぎないように気をつけます。
次に基板上に残った部品を取り除きます。

60W程度のハンダゴテにバンダを沢山もり、基板を撫でるようにして無線ICのBGAボールや、その他の部品を外していきます。最後にフラックスを取り除きます。今回は地道にピンセットを使い、基板に残ったフラックスを取り除きました。

Raspberry Pi4のセットアップ
無線機能を取り除けたのでセットアップを行います。Raspberry Pi公式のイメージファイルをダウンロードしSDカードに書き込みます。Raspberry Pi4は他のラズパイと比較すると発熱が非常に多いため、ヒートシンクの取り付けが必須です。手元にある適当なヒートシンクを取り付けました。多少大げさなヒートシンクですが、これでも長時間動かしていると熱くなります。

無線LANは使えないため有線LANケーブルを接続します。最後にUSB-Type Cの電源ケーブルをつなげると電源が入ります。無線LANはnot foundとなりますが、その他は普通に利用できます。

次回は性能評価を行います。

 


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