AMD Ryzenの温度上昇と冷却について【追記有】


Zen2アーキテクチャのRyzen3000番台の発売から1月ほどが経過しました。
筆者は生粋のAMDっ子、自作PCは初代から最新モデルまでAMDのCPUしか使ったことが無いというAMDキチなので、当然今回も購入しました。
今回は新たに組んだRyzen自作PCの性能と問題点、解決方法などを見ていこうと思います。

もくじ

待ちに待ったZen2 Ryzen
組んでまずは簡単にベンチを
動作的に問題は無いが、温度が高いので対策を
温度以外に気になるところ
おまけ

 

待ちに待ったZen2 Ryzen

今回の主要パーツ類
PCショップでロゴ入り袋を頂きました。

CPUは8コア16スレッドの3700Xをチョイス、OCは使用せず定格運用なのでマザーボードにはAsRockのB450 Pro4、GPUは先代からAsRockのPhantom Gaming X Radeon RX590 8GB OCを移植、電源はGOLD認証の750W KRPW-GK750W/90+を買ったばかりなのでこちらも移植、メモリはパソコンショップArkでセール販売されていたKLEVV製の16GB×2の32GBと8GB×2の16GB(16GB×4で64GBとしたかったのですが、残念ながら売り切れてしまいました……)の組み合わせです。

CFDのCSSD-M2B05GPG2VN
低価格ながら最初から放熱フィンがついているのが嬉しい。

システムドライブには店頭でオススメされたこともあり、CFDのCFD CSSD-M2B05GPG2VNをチョイス。
そこはGen.4じゃないのか、と突っ込まれそうですが、熱問題もあり今回はGen.3運用です、それに合わせてマザーボードもB450ですし。
同じ450でも何故Steel Legendじゃないのか、と言われると痛いのですが、筆者のCPU購入時は人気が集中しすぎて店頭に在庫がありませんでした。
言い訳をするなら、筆者のPCケースはエアフロー重視で透明パネルがなく、全く光らない為Pro4で良いかと考えていた点、オーディオはCreativeのSound Blaster Digital HDをUSB出力する点、ネットワークはIntel NICをPCI-E接続する点からもまあ良いかとなりました。


B450 Pro4マザーボード、無駄の無いバランスマザーボードと言ったイメージ。

 

組んでまずは簡単にベンチを

実際に組んでタスクマネージャを起動すると、当然のことながらAMD Ryzen 7 3700X 8-Core Processorの文字が表示されます。
相性問題が出やすいメモリ、今回もトラブルが少なからず出ているようですがきちんと48GB認識されています。これはPC工房の店員さんと色々話したのですが、「初期BIOSではメモリクロックを上げると安定しない可能性はあるが、2666MHzであれば安定するでしょう。」という助言を頂いた事もあってOCしていないから、というのもあると思います。
BIOSは動作が怪しい点があったため現時点最新版の3.60にアップデートし、ドライバ類はメーカーサイトから最新版を使用しています。
とりあえず安定動作しているようなので、定番のCINEBENCH R20を回してみます。

マルチコアで4721、シングルコアで493を叩き出しました。同コア数同スレッド数のIntelのCore i9-9900Kではマルチコアが4500前後、シングルコアで500前後なので、シングルコアでは僅差、マルチコアでは勝利と言ったところでしょうか。
販売開始価格7万円オーバーのCore i9に対し、販売開始価格5万円未満のRyzenは健闘どころかコスパでは圧勝していると言えます。
しかもこれは最上位モデルの9ではなくミドルモデルとも言える7ですから、同価格帯で勝負を仕掛けるRyzen9では勝負にならないでしょう。

ここで、友人が同時に購入したRyzen 3900Xのベンチマーク結果を提供して貰えたので以下に掲載します。
スペックとしてはマザーボードはAsRockのX570 Steel Legend、メモリはCrucialのDDR-4 2666 64GBです。

マルチコアスコアが6982、シングルコアスコアは482となっています。
マルチコアでは圧勝、シングルコアでは3700Xよりも下がってしまいましたが2%程度なので誤差といったところでしょうか。
アーキテクチャが古いとはいえ、16コアのThreadRipperより性能が良いのは驚きですね。
いずれにせよ、同価格帯では勝負にならないと言った印象です。

 

動作的に問題は無いが、温度が高いので対策を

付属のWraithファンでも良かったのですが、性能的にはほぼ同じということもありエアフローを重視しScythe虎徹 Mark Ⅱを使っています。
温度上昇をテストするため、CPU-Zを使用してCPUに負荷を掛けてみたところ、90度弱で安定しました。これはRyzen 3700Xの温度上限95度には届いていませんが、全く余裕がありません。部屋の温度が29度なのもありますが、これはちょっと高すぎますね。
CPUファンを交換しても良いのですが、虎徹 Mark  Ⅱはデュアルファン化する事で簡単に性能を上げることが出来る、という記事を見たことがあるので試してみることにしました。

Scytheの虎徹 Mark  Ⅱ
シングルファンの虎徹Ⅱをデュアルファンとした。

ファンには虎徹 Mark Ⅱに使用されているファンと同性能の同社製ファン、12cm 1200rpm PWM制御のものを使用しました。
早速同様にCPU-Zで負荷を掛けてみます。

冷却性能は20%程上がると聞いていましたが、それ以上のようです。最高温度は76度前後で安定するようになりました。この時も室温は29度です。
1,000円程度の投資でこれだけの効果が得られるので、ファンを交換するか悩んでいる人は試してみると良いでしょう。

アイドリング時の温度もよく冷えているからか、35度前後で安定しています。
なお、CPUグリスはTHERMALRIGHTTF8です。

また、RX590はコスパは良いのですが非常に発熱します。

AsRockのPhantom Gaming X Radeon RX590 8G OC
RX590は爆熱なので、強制排気の工夫が必須。

筆者のPCでは周辺の空気を外部へ排出するためのシロッコファン、そして写真では分かりづらいですが長尾製作所製、VGA用3連ファンクーラーを追加し冷却しています。
これにより、特にGPUを使用しない、あるいはフルHD程度の動画再生程度であればGPU温度は50度を下回り、非常に五月蠅いGPUファンが回転することはありません(Radeonは使用率が低く温度が低い場合はGPUファンを回転させないZero RPMが設定出来るのですが、RX590はアイドル時でも30W程度使用しているのでGPU温度がモリモリ上がるのです)。

 

温度以外に気になるところ

 

PCI暗号化/暗号化解除コントローラのドライバが見つからない。
マザーボード付属のドライバディスクにはPCI暗号化/暗号化解除コントローラ用のドライバが入っていないようだ。

ドライバ類は全部入れたので問題は無いだろうと思いましたが、一応確認の為にデバイスマネージャーを見てみたところ、PCI暗号化/暗号化解除コントローラのドライバが入っていないと警告が出ていました。
これはデバイス情報からAMDのStarship/Matisse Cryptographic Coprocessor PSPCPPだと分かっているのですが、ドライバが見つかりません。
一応AsRockには問い合わせているので、結果が分かり次第追記しようと思っています。

 

おまけ

AMDの記念グッズ
ちゃっかりコンプリート

Ryzenの発売に合わせ、AMDが秋葉原の各PCショップと提携してグッズを配布していました。
かくいう自分もちゃっかり参加、ニコニコしながら秋葉原を歩き回ってきました。
本当にありがとうございます。

 

【追記】

気になるところで触れたデバイスですが、AMDの最新チップセットをインストールしたところ解決しました。
以下にURLを貼っておきます。

https://www.amd.com/ja/support/chipsets/amd-socket-am4/b450


6 Replies to “AMD Ryzenの温度上昇と冷却について【追記有】”

  1. まいろん

    PCI暗号化/暗号化解除コントローラの問題がうちでも出まして、こちらのページの情報通りB450のチップセットのドライバをインストールしたら解決しました。
    貴重な情報ありがとうございます!

    • 月詠

      遅くなってしまって申し訳ありません。

      虎徹のデュアルファン化ですが、TSUKUMOなんかにデュアルファンキットがありますのでソレを使う事をオススメします。
      自分は同じ仕様のファンを持っていましたので、風の向きに注意しながら前後に付けるようしました。

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